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2012/06/06

これからどうすればいい

最近喘息がひどいので、病院に行った。ぼくは物心ついたときから喘息になやまされているものの、緊急用の吸入器を持っているので、ここ何年かは病院にお世話にはなっていなかった。たまに地元に帰った時に掛かりつけの呼吸器内科にいって吸入器を手に入れればそれですんだ。しかしここ一週間は発作がひどく、緊急用の吸入器が全く効かなかった。
なので上京して初めて呼吸器内科に行くことになった。
インターネットで調べた総合病院に入ると、看護婦から、今日は呼吸器内科は休みなので内科でいいかときかれた。そんなことはホームページにはかいてなかったが、まあいい、とりあえず受診することにきめたのだ。
きいてみると、呼吸器内科は月曜日の13:30~16:30の3時間しかやっていないそうだ。一週間に3時間。ぼくは計算してみた。年間8760時間の内、144時間しか呼吸器内科が存在しない。人生の8760時間分の144時間を見計らって来院しなければならない。

出された薬は、最新のステロイド吸入器と、それから気管支を拡げる飲み薬。
ぼくは医者に「発作がおきたときはどうすればいいんですか?」ときいた。医者は、「この吸入器と飲み薬をのんでいれば、発作はおきない」といった。
「でも、でたら?」とぼくはいう。
「出た時は、君が持っている緊急用の吸入器を使えばいい」
「しかし先生、緊急用の吸入器が、効かなかったんですよ、この一週間」
「いや、このステロイド吸入器と組み合わせれば、おそらくおさまるはずだ」
(こいつ適当やな)

ぼくは診察を終え、処方箋を持って薬局にいった。
薬局では薬の説明をうける。
「この薬は、気管支を拡げる効果があり……」
「この薬を一週間のめば、ずっと気管支がひろがった状態になるんですか?」
「いや、飲むのをやめれば、気管支はもとに戻ります」
「じゃあこの薬を一生飲み続けろって言うんですか?」
「いや、一週間飲んで喘息が治る患者さんもいますから……」
「いやこっちは幼少期からずっと喘息で悩んでるんですよ。一週間で治るわけないでしょう」
「まあでもとりあえずは、発作がおきないようにした方が……」
「発作がもし起きたら?」
「もし起きたら、あなたがお使いになってる吸入器をお使いください」
「だからぼくが持ってる吸入器が効かなかったんだって」
「この薬と組み合わせれば、おそらくおさまるだろうと……」
(こいつ適当やな)

ぼくは20年悩まされている喘息の、たった一週間分の予防薬をもらい、緊急時の改善は全くなされぬまま、帰宅することになった。それなら一生分の薬をくれればいいが、そんなことはしない。

ぼくは緊急時にどうするかという対策が全くわからないまま、病院を出た。それからおいしい巻きタバコを買った。

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