市県民税、健康保険税などを払っていないことによる財産差し押さえを危機を迎えたからだ。
現在家がないことや、収入がほとんどないこと、音楽活動をしていることを告げる。
とりあえずぼくは確定申告をきちんとしていないので、それをするということになった。
そうすると非課税対象になり、なんとか財産差し押さえにはならないらしいが、
もろもろの審査など含めて1年くらいはかかるらしい。
なので、1年間は、そうした差し押さえの文章などが送られつづけるという。
ぼくの横には、おっちゃんが職員とやりあっている。
「納期はとっくに過ぎてるんですよ!」
「だかあら再来月に120万入るっていうのが確実なんだから、それで払えるっていっているでしょう」
「もうね、待てないんですよ」
その横には、丁寧に謝る中年男性。
「すみません、これはおれが悪いです。本当にすみません」
謝り続け、職員がなだめている。
その男性が帰ろうと席を立つと、足から腰にかけての違和感のある曲がり方。
身体障害者であった。
「あの、本当に、すみませんでした!」
めちゃくちゃあやまりながら彼は杖をついて帰っていった。
そしてぼく。
「あの、ぼく、家も財産もないんですけど、なにを没収されるんですか?」
「ううん、、、ええっと、、アイフォーンですかね」
そう、ぼくは、アイフォーンを没収されるという危機に面しているのだ。
話し合いを終えて帰る道すがら、
東南アジア系の女性に話しかけられる。
「ボランティア、ボランティア!」
見ると、アジアの子供達の写真をたくさん持っている。
「ああ、募金?」
ほとんど日本語は通じない。英語もダメだ。
「私は大学生です。毎日4時間ボランティアしてます」
「なんのための募金?」
「アジア! 全部!」
「アジアのどこの国への?」
「アジア! 全部!」
「あのね、ぼくは今、財産差し押さえの危機にあってね。差し押さえ、わかります?」
「焼きそばはわかります」
「いや、お金がない」
「わかります。バイバイね」
ぼくはやや罪悪感を覚えながら、一銭も寄付することなく去っていった。
JOURNAL170915
Reviewed by asahi
on
19:47
Rating:
0 件のコメント: