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2012/03/13

小説のこと

ずっと書いてた小説のすべてのパートを書き終えた。完成させるにはもう少しかかるかもしれないけど。結局ここまで2年くらいかかってしまった。俺は読むのも遅ければ書くのも遅いんだろう。
この小説は、全体の50%がエロで、30%が洒落で、10%が引用というような感じで、原稿用紙170枚程度の短い話です。ザトウクジラのソングがキーワードになっている話なので、読んだことはないけど村上龍の「歌うクジラ」からインスピレーションを受けたということにしようと思います。
エロい小説を書いたということが、唯一日本文学的な流れを踏まえている部分かもしれない。日本文学はとにかくエロい。顕微鏡のように細かくエロスを書く。明治文学はほとんどがポルノじみている。アメリカ文学の性の解放はせいぜい50年代以降だろうけど、日本文学のエロス歴はながい。だから俺は昔「名作と呼ばれる作品はなぜエロスが多いんだろう」と疑問に思ったことがある。エロくて文学的というのは、中学生の俺からしてみれば異様な組み合わせだったのだ。しかし世界に目を向けると、エロい小説家なんていない。サドもバタイユもみなアングラ作家だった。
だから対向勢力の勢いは凄まじく、「ソフトマシーン」を初めて読んだときは衝撃だった。それは谷崎とも三島とも全然違うのだ。まず全然文学的じゃない。それから物語的じゃない。それからすごく下衆いエロ、そして全員ゲイだ。シャワールームでアナルに石鹸塗りたくって一発やるんだけど、なんともジャンクで下品でチープで、それでいてかっこ良かった。このかっこ良いテンポはなんだろうと思い、すぐにコミックだと思った。バロウズは長いながい意識の流れが錯綜として続き、なにがなんだかわからないけど、展開はすごく早い。パッパッパと物語が進行して、また意識の独白になる。
まあそれでこのジャンクなポルノを読んで、こんなポルノを日本文学で実践すべしと思って、なるべく官能小説にありがちなチープオノマトペを使うことにした。装飾はいらない。推敲もしない。

この物語には、カズハゴンドウが89頭、ザトウクジラが1頭、シロナガスの着ぐるみ着た女の子が1人、シロナガス級の潮吹き女優が1人出て来ます。あとはショーン・コネリーそっくりな爺さんとかシーシェパードとかサーフロッカーとか山本リンダとかでてきます。




さて寝よう

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