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2012/03/13

根暗な処女航海

最近は人に合わず、電話で会話するばかりだけど、それも音楽関係の人か家族くらいのもんで、というかそれは考えてみれば前からそうで、やたら音楽関係の交流が多い。音楽をやっているし、大学でも作曲やってるわけだから当たり前なんだけど、それはなんだかまずい気がする。例えばグラビアやってる友達なんかいないし、画家の友達もいない。
だから友達とかと話したりすることといえば音楽の話が半分くらいを占めるんだけど、音楽の話というのは、やたら長くて面白みがない。音楽というものに重点をおくあまりに、会話に面白みがないのだ。
そういった人たちは、喫茶店で隣のテーブルに座った中身の無い会話でふざけている女たちをみて「あほじゃないか」と思うけど、でも彼女らの会話は中身がない分会話に面白みを見出している時点で賢明だと思う。
つまりぼくは最近人に合わないから、こういうことを考えて1人で泥酔しているのだ。

とにかく人に合っていなかった。
それで昨日は学校に行ったので、久々に友人に会い、ジョン、まっつん、さとると飯を食うことになった。
飯を食った後はまっつんは帰り、おれとさとるはジョンの家に行った。

結果的にそこで終電を逃したわけだけど、そんなに気にしない。バンドメンバーに電話で「帰ったらSkypeで連絡するわ」と言っていたことを思い出したけど、まあしかたがない。

さとるがすぐに爆睡すると、おれとジョンは、いわゆるボーイズ・トークのようなもの(往年のケイン・コスギの肉体美について語ったりするわけではない)に勤しんだのだ。

※以下、著しく女性を蔑視するような表現が含まれます。女性の人件を一切無視する非論理的な空論が展開されますので、「これ完全にあたしのこと言ってる」というようなとんでもない勘違いをするようなアバズレは絶対に閲覧しないでください。



つまり女の話なんだけど、これはある問題解決への旅のようなものに、結果的になってしまった。
その問題とは、「こういう女よくいるけど、ありゃ一体なんなんだ?」という純粋な疑問に端を発する。その女は、おれもジョンも、今まで、何度か出会ってきて、それなりの関係になったり、あまり深い中にはならなかったり色々なんだが、「少数だが一定数いる」女のことなんだけど、それが一体どんな女なのかというと、「アングラ好きのアバズレ」という言い方がわかりやすいと思う。
じゃあなぜその「アングラ好きのアバズレ」が問題なのかというと、彼女は「実はアバズレではない」というところが問題なのだ。つまりアバズレを装っている、というところが。具体的にいえば、経験人数を上増したり、性嗜好が異常であることをアピールしたり、必要以上にすべての男性を性対象とするような発言をしたりなどだけど、実際には経験人数がさほど多くないことが発覚したり、実は極めて標準的なオーラルセックス(セーフティ)を実践したりと、やたらとこちらからすれば「あれれ、どういうことでしょう」と肩すかしをくらうことが、毎度のことなのだ。
そこでジョンとぼくは「アングラ好きのアバズレ」のことを、「一概して処女である」ということを正式に認め、「経験値の少なさという恐怖から身を守るためにアバズレを装い、それをもっともらしくみせるためにアングラというツールを利用した」ということを厳しく指摘し、「極めて悪質な詐欺である」という判決に至った。
さらにそういった犯行を侵す傾向にある女性のことを総括して「シュバンクガール」と命名したのだ。以上、閉廷!バン!!!

シュバンクガール……その由来は、チェコを代表するクレイ・アニメの巨匠、ヤン・シュバンクマイエルから拝借していて、上記したようなアングラ好きのアバズレ(厳密にはアバズレもどき)が、一度は通る道であり、mixiやブログのプロフィールページの「好きな映画」の欄にでかでかと書き込まれているアーティストなのだ。まさに王道なのだ。
以下、シュバンクガールの大まかな趣味、特徴など。

・シュバンクマイエル
・江戸川乱歩
・寺山修司
・夢野久作
・竹久夢二
・(本人は否定する場合もあるが少なからず)椎名林檎
・スプラッタ
・時計じかけのオレンジ
・自殺願望
・ポー
・つげ義春
・シュルレアリスム
・ミュシャ
・クリムト
・四人囃子
・ドビュッシー
・無垢への憧れ(のフリ)
・黒髪もしくは派手な髪色
・過去にゴスロリ、V系に対して何らかの思い入れか経験がある。
・あからさまにジョークだというように処女発言をする。(真実である場合が多い。
・実際は経験人数が2人以下
・両親の結婚生活に何らかの問題があることをありえないタイミングで告白する。
・性的にそこそこ魅力がある。
・結局わりとかわいい。
・結局やさしい。


ざっと挙げるとこんなもんだろうけど、他にも、ヴィレッジバンガードや嶽本野ばらや相対性理論やウォーホルに興味を持っている子供たちが、後々シュバンクガールになる予備軍として、「シュバンクチルドレン」と呼ばれている。



シュバンクガールの問題はアバズレを装う詐欺なんだけど、もうひとつ重要な問題があって、それはアーティストの品格を著しく没落させてしまうことだ。
たとえば椎名林檎というアーティストを例に取れば、彼女は曲や詞のセンスも素晴らしいし文語体の導入やアンチ渋谷系まんまの新宿系という造語など、セルフプロデュースの大胆さは類をみないし神がかっていたとおもうんだけど、おそらくぼくらは二度と、赤面することなしに椎名林檎をリスペクトすることを公言はできないだろう。なぜなら、それはあのいまいましいシュバンクガールが、椎名林檎の品格をどん底まで叩き潰してしまったからだ。あまりに極端にピンポイントな層が熱狂的に崇拝したせいで、ファンによって貶められたのだ。そういった支持者の手によって崇拝者が没落する現象を、歴史上最大の反逆事件にちなんで「本能寺の変」と命名した。そしてそれによって品格が没落してしまったかわいそうなアーティスト(もしくはジャンルや作品など)を「織田信長」と命名した。織田信長になったアーティストは、かわいそうなことに、だれにも今までの素直な気持ちで「好きだ」と言われることはないのだ。「恥ずい言葉」の仲間入りをしてしまうのだ。

以下、その他の「織田信長」の例(シュバンクガールが関わっていない本能寺の変も含む)
※() の中は主謀者

・岩井俊二(潔癖患者)
・村上春樹(ハルキスト)
・シュルレアリスム(シュバンクガール)
・ゴダール(芸大生)
・太宰治(松山ケンイチ)
・ジョン・ケージ(音大生)
・美輪明宏(おかま)




われわれはそんな本能寺の変にも負けずに発言をしないといけない。惑わされずにかんがえないといけない。シュバンクガールは、そんなわたしたちの心の中で、毅然として反抗し続ける華麗なるアバズレなのかもしれない。


ああ、シュバンクガール
華麗なるアバズレ

ああ、シュバンクガール
本当はセックス恐怖症

帆をあげよ、出向だ
自由の国へ処女航海

やばい変な煙がでてる
上官がなんか焦ってる

ああシュバンクガール
意外とスティーヴン・キングもいけるくち

ああシュバンクガール
蒼井そらは一目置いている




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椎名林檎

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シュバンクガール

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失敗した例

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