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2012/03/13

装丁オリンピック

駅の近くで偶然にも、友人のさとると会った。同じ大学で、同じく作曲を専攻しているさとるだが、話をするのは半年ぶりくらいだ。ミスドに入ってコーヒーを飲んで、さとるが「構造主義の話をして」と言った。さとるはやたらと議論がしたいのだ。ずいぶん前には実存主義にはまっていて、今は現象学に興味があるらしい。フーコーやデリダやハイデガーやクリステヴァやジジェクの名前が飛び交ったけど、二人とも受け売りの知識しかないので、とても議論といえるものにはならなかった。しかしともかくさとるは(そして俺も)自分の知ったことを試したかったし、インテリに振る舞いたかったから、とにかくリルケの引用などを駆使しながらそれっぽく語り合った。さとるは基本的に脳みそがすっからかんな男だから俺は彼が何をいわんとしているか理解するのに苦しんだ。
その後本屋に行き、第一回壮丁オリンピックを開催した。本屋の各ジャンルを巡って、俺とさとるの独断で装丁の素晴らしい本を選ぶのだ。
心理学、文学、インテリア、ファッション、マンガなど様々な分野をみてまわり、点数をつけていった。建築やデザインなどの優勝常連国はレベルが高く、特集が組まれていた絵本コーナーも決勝進出していった。
混戦のなか見事優勝したのは、哲学コーナーより、ウンベルト・エーコの「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」だった。


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カバーがリバーシブルになっていて、裏返すと洋書風になる。
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電子書籍に対向すべく気合の入った装丁で見事優勝しました。

その場で簡単に授賞式をすませて、解散した。

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