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2017/12/29

現代音楽の捕虜となった2017年、そして(なんと)まだおわらない!

2017年はぼくにとって、まさかの現代音楽の年だった。

ぼくは音楽をやっているし、本を読むことが大好きだが、「音楽の本」を読むことはめったにない。
だからぼくはDTMマガジンやサンレコを読んでいる友人みたいにデスクトップミュージックに詳しくはならないし、レコードコレクターを読んでいる友人みたいに音楽オタクになることもない。
ぼくにとって音楽は、大学で理論は学んだけど、それ以上は知識として深掘りする必要のないものだった。


2月

ところが、ぼくは気晴らしに、現代音楽家たちのインタビー集を買って読んだ。
本当にただの気晴らしで、「音楽の本を読むなんて珍しいなあ」と自分で思いながら読んだものだ。

読んでいる途中で、いくつか疑問が湧いてきて、
それは不確定な楽譜と演奏に関するものだった。

それとなく、macaroomでこれを実践してみたらおもしろいんじゃないか、という風に思い立った。
それが2017年の2月のおわり。
emaruに話してみる。
「macaroomで、現代音楽をポップに演奏してみようと思うんやけど」
「うーん、ウチはよくわからんけど、いいんやない?」
こんな感じだ。

次の日には川島素晴氏に連絡していた。
そしてなんと次の日には川島さんと喫茶店での会合。

このときにはぼくはまだ、
2017年のあいだ中ずっと続くことになる
現代音楽の魔の手が忍び寄っていることに気づいてはいなかった。

ちなみに、ぼくと川島素晴さんは、ほとんど交流はなかった。
川島さんもぼくのことを知ってはいたが、会話したことはない。

喫茶店おはなしをしながら、いくつかのことがまとまった。
ジョン・ケージがいいんじゃないか、ということだ。

6月

それからというもの、
ぼくは論文をかいたり、
調べ物をしていきながら、
そして川島さんと議論を重ねていきながら、
ジョン・ケージの不確定性の音楽をポップに演奏する、という試みが少しずつ形作られていった。

それについては、
でまとめているので、読んでほしい。


8月

そしてmacaroomの不思議なミニアルバムが完成したのだった。


音源はダウンロード販売で、iTunesやAmazon Music、mora、Bandacmpなどで販売しています。
macaroom - cage out (iTunes)


そしてドキュメント映像まで作り上げてしまった。





さらにmora主催で、川島素晴さんと対談をすることになった。


こちらに特集記事
『ジョン・ケージ没後25年 川島素晴×アサヒ(macaroom)対談』
があるので読んでほしい。
さらに対談は動画として公開されている。
もちろんジョン・ケージの話、不確定性の話から、
そもそも現代音楽とはなんなのか、というのをぼくがアホまるだしで質問し、
川島さんが専門的にこたえていく傑作対談。





9月

ここまででお腹いっぱいな気もするが、まだまだ終わらない。

よしときゃいいのに、ライブイベントまで決行したのだ。


それが9月23日におこなわれた『世界未来音楽会議』
ポップVS現代音楽という図式で、川島素晴さんにもご出演いただき、
当日はとにかく狂騒につぐ狂騒だった。

世界未来音楽会議の結果報告』にまとめているので読んでほしい。


12月

そしてこれでも終わらない。
今度は川島素晴さんから我々へのアンサーソングというか、挑戦状、というか赤紙が届いたのだった。

それが12月16日に行われた『CAGE IN』というライブイベント。
こちらはジョン・ケージ一色。
3時間半、ジョン・ケージのみ。こんなイベントはめったにないんじゃないかな。
出演者としてもうんざりするくらいケージまみれで、出演者全員ノイローゼになったイベントだった。


この歴史的イベントについては、emaruがブログにて写真たっぷりに紹介しているので、
こちらをお読みいただきたい。
emaruブログ『両国門天ホールにてCAGE INでした



来年

さて、これですべて終わりというわけじゃない。
実は来年、ぼくはとある出版社から本を出版することになったのだが、
これがなんと現代音楽に関する本なのだ。
というわけで、目下執筆中。
そのせいで、ここんとこ毎日現代音楽と対峙しているというわけだ。
来年もまだ現代音楽から足を洗うことができない。

しかし、macaroomは現代音楽ユニットではない
決して違う。
なんとしても違う。
我々はポップなユニット(なはず)だ。

というわけで、来年はmacaroomの(ポップな)3rdアルバムが発売される。
近々詳細を発表させていただこうと思うけれど、今日のブログではここまで。